下宮 憲二

羊頭狗肉の謝り方~H急H神ホテルズ食材偽装事件~

こんにちは、下宮です。
「謝罪の王様」という映画が公開されています。まだ観ていないのですが、究極の謝罪「土下座の向こう側」なるものがどのようなものか、弁護人として、非常に興味があるところです。
とあるホテルで、メニューと異なる食材を使用していたことが問題となりました。羊の頭を看板に掲げて、狗(いぬ)の肉を売るという言葉を思い出しましたが、知名度のある大手のホテルということで話題となりました。これまでにも、高級料亭と言われるお店で賞味期限切れの商品を販売していたことなどが問題となり、「またか」という思いで見ていた方も多かったのではないでしょうか。
この手の事件で、お決まりのように出てくるのが、問題発覚後のまずい対応です。とあるホテルの会見では、利益を得ようとした偽装表示ではなく、あくまで誤表示だと言うものでしたが、プロの料理人が食材の変更を知らずに提供し続けていたとは考え難く、弁解に疑問の声があがっていました。
確か、以前の高級料亭の事案では、謝罪会見で社長が、隣にすわっている大女将から謝罪の言葉をこそこそと教えられて、そのまま喋っていた対応が問題視されたと思います。
仮に、偽装表示を行っていた場合、問題が発覚後、初めに誤表示だったと嘘の弁解をしてしまうと、メニュー表示において嘘をついた上に、謝罪会見でも嘘をつくという二重の不祥事を犯してしまうことになり、すべてにおいて偽装を行っているとの印象を与えてしまいます。
そうであるならば、問題が発覚した時にすべてを明らかにした方が、被害は最小限に食い止められたのではないかと思うのですが、大手銀行の問題ある融資事件においても、不十分な会見をして、あとで倍返しを食らっている様子からは、そこには、私には理解し得ない特別なコンプライアンスがあるのかもしれません。 
 
やはり過ちは包み隠さず素直に謝るのが一番の謝罪方法かもしれませんね。