下宮 憲二

遠隔操作したかったのは・・。~PC遠隔操作事件~

こんにちは、下宮です。

 ミュージシャンのAスカ容疑者が覚醒剤所持の疑いで逮捕されるというニュースが流れました。以前から、スポーツ誌などで大物ミュージシャンに覚醒剤疑惑があると噂されていましたが本当に逮捕されたと聞いてびっくりです。髪の毛等から覚醒剤陽性反応が出たが、容疑を否認しているとのこと。今後、どのようになるのでしょうか。

 否認していたと言えば、パソコン遠隔操作事件です。
パソコンの遠隔操作によって他人が脅迫文等を送信したように見せかけて第三者の業務を妨害したとされる事件です。自分も誤認逮捕の被害者だと全面無罪を主張していた被告人が、保釈中に自作自演メールを送ったことを認め、無罪主張を撤回しました。
  
 被告人が無罪主張をする場合、無実のために無罪主張をする場合、弁護人だけには真実を打ち明けて無罪主張する場合、弁護人にも真実を話さずに無罪主張する場合といろいろなパターンがあります。
 
 特に真実を話さずに無罪主張する場合は、例えば、尿や毛髪から覚醒剤反応が出ている段階で覚醒剤なんか使用していないと弁護人に訴えても、弁護人もはいそうですかとそれだけで無罪主張するわけには行きません。客観的事実に反する容疑者の主張に合理性を見つけようと接見を繰り返すことになります。
 弁護人が無罪であると確信できて初めて、充実した弁護活動が出来ることとなります。

 今回の事件は現に誤認逮捕された人がいる事件ですし、今回の被告人も冤罪である可能性が考えられる事案だったのであり、弁護人も被告人の主張を信じての無罪主張だったのだと思います。

 そんな時に、自作自演メール疑惑が浮上し保釈中の被告人と連絡がとれなくなり、姿を現したと思ったら、「僕はサイコパス。平気でうそをつける。真犯人は僕でした。テヘ」などと言われたら、弁護人はたまったものではありません。
 
 弁護人が、記者会見で「まんまと騙されてしまった。」と言えば嘘を見破れなかったことに対して非難を受け、かといって「私も怪しいと思っていたんです。」なんて言うわけにもいかず、非常にハードな対応を迫られたはずです。弁護人こそどこかへ逃げ出したかったのではないでしょうか。

 やはり、こんなときこそ遠隔操作で記者会見の対応ができればよかったのかもしれませんね。